Written by Kazuhiko Noguchi

【桃仁(とうにん)】漢方薬に含まれる生薬の効能【生薬解説】

生薬解説

【桃仁(とうにん)】漢方薬に含まれる生薬の効能【生薬解説】

ポイント

平性の駆瘀血薬。活血・駆瘀血の代表的な生薬。
活血(血流を良くして鬱血を除く)の他、瀉血によって鬱血を除くような破血作用がある。

また、油性分を含むので腸を潤して便通に良い。妊娠中の妊婦には禁忌。

【桃仁】の漢方的効能

  1. 駆瘀血作用。血を巡らせる。血の道症に使用する。
  2. 顔がのぼせて足腰が冷える
  3. 腸癰、外傷打撲、瘀血腹痛、無月経、月経閉止。
  4. 腸を潤し排便を促す。老人の便秘のような水分の少ない硬便に使用する。
  5. 咳を止める。
分類 駆瘀血薬
基原 バラ科モモやノモモの種子
薬性 平性
用法 3〜6g
注意点 虚証、血虚の者には慎重に使う。妊娠中の妊婦には禁忌

桃仁が含まれる漢方処方薬

桃紅四物湯、桃核承気湯、桂枝茯苓丸、折衝飲、大黄牡丹皮湯、腸癰湯、通導散、潤腸湯など。

おまけ

おまけ
桃仁は桃の種。桃の枝は古代中国の地理書「山海経」に鬼を退治する最強アイテムとして登場し、魔除け効果があるとされている。桃太郎伝説然り。

3月3日のひな祭りは桃の節句

3月3日のひな祭りは桃の節句
「節句」とは季節の変わり目の「忌み日」に行事を行う習慣のことを言う。桃の枝は悪いことが起きないようにと魔除けの効果があり、そして種には血を巡らせる効能がある。

桃は梅や桜に比べると目立たないが、このような特別な意味が存在している。

引用参考文献

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