Written by Kazuhiko Noguchi

【桂枝(けいし)・桂皮(けいひ)】漢方薬に含まれる生薬の効能【生薬解説】

生薬解説

【桂枝(けいし)・桂皮(けいひ)】漢方薬に含まれる生薬の効能【生薬解説】

ポイント

表裏の陽気を温め、表邪を除き、気血を巡らせる。
桂枝は上方(若い枝)桂皮は幹(厚い部分)の樹皮。桂皮は肉桂とも呼ばれる。

桂枝・・・解表薬
桂皮・・・温裏薬

傷寒論に「太陽病、之を下して後、其の気上衝する者は、桂枝湯を与ふべし。方前法を用ふ。若し上衝せざる者は、之を与ふべからず。」とある。
上衝を治す。(桂枝甘草湯、桂枝湯)

上衝・・・陽気の不足で起こる、仮性の興奮(のぼせ)。脳貧血などで、末梢血管が収縮して、皮膚が蒼白になり脈拍がはやくなる。それで心悸が上へ上がってくるような状態。

注意点

温性が強く、陰虚証・温熱性の疼痛・出血症には禁忌。妊婦・月経過多症には慎重に用いる。

また頭痛(こめかみ~前額部)や回転性めまいをひき起こすことがある。このような桂皮の血管拡張作用による症状に対して、芍薬の収斂作用、血管収縮、止血作用を利用し、これらの症状を止める(桂枝湯)。苓桂朮甘湯のような芍薬が配合されていない処方は注意が必要。

桂枝・桂皮の漢方的効能

  • 上衝を治す:陽気不足を補うことで、脳循環改善作用を発揮する。脳循環血量の低下による、後頭部の頭痛、首筋のこり、立ちくらみなどを改善させる。(桂枝甘草湯、桂枝湯)
  • 発汗解表:発汗作用は弱いが、体表部に作用し悪寒発熱・頭痛・鼻閉などに使用される。(桂枝湯、葛根湯)
  • 通経散寒・止痛:経絡を温めて血行促進し、疼痛を緩和する(桂枝加附子湯)。胃腸などが寒冷の刺激で痙攣しておきる疼痛を緩解する。→桂皮(肉桂)を用いる。四肢の冷感に(当帰四逆加呉茱萸生姜湯)。月経痛や無月経に(温経湯)。
    脾胃虚寒の胃痛に(小建中湯)。
    血剤とともに用いて、血行をよくして駆瘀血作用を助ける(桂枝茯苓丸)。
  • 通陽化気:陽気を活発にしよく巡らせ(通陽)、さらに痰湿を吸収し除く(化気)。肺胃に陽気が巡らなくなった病態に使用する。肺の寒飲停滞による咳嗽、顔面浮腫、鼻水など(小青竜湯)。胃の水飲停滞によるめまい・動悸・嘔吐に(苓桂朮甘湯)。小便不利、下肢の浮腫等に腎臓の血流をよくして利尿作用を助ける(五苓散)。
分類 辛温解表薬、温裏薬
基源 クスノキ科クスの若枝、樹皮
薬性 温性
用法 2g~4g
注意点 温性が強く、陰虚証・温熱性の疼痛・出血症には禁忌。妊婦・月経過多症には慎重に用いる

桂枝・桂皮が含まれる漢方処方薬

桂枝甘草湯、桂枝湯、葛根湯、麻黄湯、桂枝加附子湯、温経湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、建中湯類、桂枝茯苓丸、五苓散、苓桂朮甘湯、十全大補湯、五積散、炙甘草湯、八味丸、交泰丸など。

引用参考文献

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