【鼻炎対策】秋口に鼻水が止まらない原因とは?【漢方的解釈】
こんにちは、グッさん(@gussan011)です。
「秋口になると鼻水やくしゃみがひどくなる」
本記事では、こういった症状に対してお悩みの方に向けて、原因と対策をお伝えしていこうと思います。
目次
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【鼻炎対策】秋口に鼻水が止まらない原因とは?【漢方的解釈】
- 秋になり、汗をかかなくなった
- 朝晩の激しい寒暖差
- 冬の布団を出した時に発生するダニ、埃
順番に解説していきます。
秋になり、汗をかかなくなった
もうね、個人的にはこれが一番の原因じゃないかと思っています。
鼻炎の相談に来られる患者さまにお聞きすると、夏は症状出ないんだよねとみなさん揃って仰います。
汗が出ることで、余分な水分が外に出る。夏は暑いので勝手に汗が出ていきますが、秋冬はそうはいきません。
そもそも秋は外が寒くなり空気が乾燥しているので、身体が陰分を留めようとします。人間の身体の70%は水。この水が、秋は夏と違う動きをします。
水の主な発生源は胃腸。この水が肺に移行し、その余分な水が鼻水となって表れる。
この病理産物を「痰飲」といいます。
朝晩の激しい寒暖差
秋口のこの時期、朝晩の冷え込みで、くしゃみがでませんか?
秋の花粉や寒さ、これが身体に入ってこようとすると、人間はくしゃみをして原因を取り払おうとします。一発のくしゃみでそれが全うできる人もいれば、それができない人もおられます。
娘は後者ですね。身体の中に「余分なお水」がある方は、くしゃみを連発し、鼻水が止まりにくい傾向にあります。
寒暖差アレルギーなんて言われたりもしていますよね。それはこの寒暖差から身体を守ろうとする人間の防御反応。
冬の布団を出した時に発生するダニ、埃
先程と同じようなお話なのですが、身体の中に「余分な水」がある方は、冬の布団を出した時に発生するダニ、埃に反応しやすく、くしゃみを連発し、鼻水が止まりにくい傾向にあります。
ちなみに僕は高確率で冬の布団を出した時に発生するダニ、埃で鼻炎がひどくなります。
なので必ず秋口は布団を干してシーツを洗濯します。そして布団を出す時にマスクをします。これである程度防げます。
これから冬になると結露が窓際に発生しやすくなります。これ、超メンドイのですが毎日掃除しましょう。結露から発生するカビやダニが原因で、冬場の咳、鼻水、くしゃみが頻発しやすくなります。
【生活習慣】鼻炎の症状を改善する為に必要なこと
ここからが重要なフェーズです。実は、鼻炎の改善は生活習慣の改善が必須です。
- 夕飯を軽めにする
- 温かい飲食を心がける
- 入浴で少し発汗
- 軽い運動で発汗
- 果物、甘味を控える
つまり、余分な水を身体に発生させないようにすることです。
夕飯を軽めにする
胃腸が余分なお水の発生源、というお話はお伝えしました。胃腸のお水は胃に負担がかかると発生します。夕飯を軽くことで胃腸の負担が減ります。具体的には、
夕飯1食分:サラダ、味噌汁、蛋白質(豚肉80g)、炭水化物は控える
などですね。
温かい飲食を心がける
温かい飲食を摂ることで胃腸への負担を減らします。温かいお茶を飲んで寝ると、睡眠の質も上がります。
入浴で少し発汗
余分な水分が身体から減ります。身体に籠もっている熱を外に出すことで、入眠にも良いはず。
軽い運動で発汗
運動は最強におすすめです。僕は毎日15〜20分走る+筋肉トレをしていますが、これが効果抜群。鼻炎の改善だけでなく身体が軽くなります。
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果物、甘味を控える
果物は強い陰性食で身体を冷やします。まずは食べ過ぎないように意識してみて下さい。果物を少量食べたら、その後温かいお茶を飲む、というのもおすすめ。
甘いお菓子は湿気を身体に呼び込みます。チョコレート食べた翌日に皮膚炎が悪化したり、鼻炎がひどく出たりする事があります。
ですが、これらを実践すれば、症状は軽くなるはず。お試しあれ。
【漢方治療】薬で鼻水、くしゃみを改善する方法
ここからは、実際に僕が患者さまに対して行っている漢方治療をお伝えします。
薬局に相談に来られた患者さま
16歳、女性。秋口に鼻水が止まらない
秋口に透明な鼻水、くしゃみが頻発。布団を出し入れしていた部屋にいたら、余計に症状が増悪。食欲あり。手足の冷え、火照りなし。運動不足。アイス、ココア、果物好き。お小水が1日3〜4回と少ない。症状がひどく、受験に差し支えるので、なんとかしたい。
胃内停水は確認できなかったが、舌が白膩苔。肺胃に余分な水分が溜まっていると推測。
そんなわけで、皮膚一枚下の水の流れがどうなっているのかを考えてみる。
八綱弁証
- 症状は秋口からで、無色透明な鼻水、くしゃみが出る→
表
- 透明なサラサラした鼻水、秋口の寒暖差で増悪する→
寒
- 食欲はある。運動不足。筋肉量そこそこ。手足の火照り、冷え(-)→
虚実中間
ポタポタと垂れ落ちる、透明な鼻水。これは肺中冷。肺胃に溜まる水を捌く為に必要なのは、甘草乾姜湯。
- 肺を温める薬草は、
乾姜、細辛。
麻黄☓桂枝
で表寒証(秋口の寒暖差)に対応。- 水の流れをつけるのに、
甘草麻黄湯。
- 痰を乾かす
半夏。
- 陰の保証である
芍薬。
- 収斂剤、
五味子。
選んだ方剤は小青竜湯。上記の生薬がすべて含まれております。
味は酸っぱいけど、おいしいとの感想。必ず温めて服用するようにと、上記の養生法をお試し頂くように、お伝えしました。
自分もそうだったんですが、受験期の鼻炎はたまったもんじゃないんですよね。教室で鼻水をかみ過ぎてて、友人に気が散るわ!と怒られた経験もあります。
集中力もガタ落ち。勉強中、机にティッシュの山盛り。万全の状態で、受験に望めない・・・。胸中、お察しいたします。
1番大切なのは、病理
今回の場合の病理は、肺、胃に溜まっている痰飲。これをどのように捌くか。ここが重要です。
その為、胃腸の水分代謝を促しておくと、「鼻水が止まらない」という症状が改善していくケースは多々あります。
肺と胃は繋がっています。小青竜湯は肺の水を捌く薬方。平胃散は胃腸の水を捌く薬方。
まさに今鼻炎の症状が出ている時に平胃散は選択しません。まずは速やかに肺の水を捌く小青竜湯を選択します。
症状が治まったあと、平胃散などで胃腸の水を捌いていく。基本的にはこのような手法を行います。
西洋薬と漢方薬の併用
それとちょっと裏技ですが、西洋薬と漢方薬の併用はオススメです。
単純に効き目が増すと思いますし、西洋薬で起こりやすい眠気を漢方薬でカバーする、という使い方もよいかと思います。両者のいいとこ取りですね。
記事の内容をまとめます
- 秋口に悪化する鼻炎の原因は「肺に溜まった水」にある
- 鼻炎の改善には生活習慣が大切
- 漢方薬、もしくは西洋薬を併用し症状を改善に導く
この鼻炎という病態は、患者さまと自分の経験を通じて、原因や対策を色々と考えてきました。
今の僕の考えはここに示した通りですが、実際に、小青竜湯だけで改善できないケースを散見します。
場合によっては、胃腸に溢れる痰飲を肺と同時に捌き、消化機能を上げる。症状が化熱していれば石膏や黄芩を加える。服薬量を増やす場合もある。
エキス剤で効き目がいまいちの場合、煎じ薬に切り替えるなど。状況によって、工夫が必要な時もあります。
鼻水が延々とと垂れてくるあの不快感は、経験してみないとわからないですよね。僕は鼻炎と喘息がひどかったので・・・。
この記事が、鼻炎でお悩みの方に、少しでもお役に立てれば幸いです。
喘息の改善に漢方がおすすめな理由【治療・体質改善法についても解説】 | 茨城漢方グッさんBLOG
喘息の原因は身体の中にある「痰飲」(古くなったお水)が原因にある。治療には肺や胃を温める漢方薬を服用する。トキメキとハングリー精神をもって生きていく。喘息の体質を変えていくためには冷たいものを取りすぎない。これらのことを駆使すれば、きっと喘息の症状を軽くできるのではないかと思います。
記事を読んでくれて、ありがとうございます!
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