【漢方処方解説】葛根湯の使い方
こんにちは、グッさん(@gussan011)です。
めっきり寒くなってきました。今週、茨城の県北地方では霜がおりてました。
風邪の流行る季節の到来ですね。
風邪には葛根湯がいいよ、なんて一度はお聞きしたことがありますかね?
そんなわけで、今日は葛根湯の使い方について説明しようと思います。
【漢方処方解説】葛根湯の使い方
ポイント3つ
- 葛根湯が適応となる条件
- 葛根湯の使い方とコツ
- 葛根湯で
「発表」
する
葛根湯が適応となる条件
それでは早速なんですが、まず風邪を引いた時をイメージしてみて下さい。
一般的に風邪の引き始めに多い症状として、まずゾクゾクと寒気がしてきて、肩が凝ってきて、頭痛、発熱、喉の痛み、鼻水や咳が出てきます。
ここで、額や脇の下に手を入れて、汗が出ているかどうかを確認して下さい。
そして、汗が出ていない状態を確認します。
この身体の状態が、葛根湯の使用条件です。このタイミングで、葛根湯をお湯割りにして飲んでみます。
うまくいけば、身体が温まり発汗します。すると、症状が楽になってくるのが分かります。
葛根湯の使い方とコツ
ポイント
葛根湯を飲んですぐ汗が出ればいいのですが、葛根湯を1包飲んでも出ない方もおられます。そんな時はもう1包追加です。
僕は最初に2包飲みます。それでも汗が出ない場合はもう1包追加してます。
それでもって布団にくるまって、汗が出たら必ず着替えて下さい。名付けて発汗一発療法です。
翌日は葛根湯を飲む必要はありません。
葛根湯で「発表」
する
この手法を漢方では「発表」といいます。
葛根湯に含まれている麻黄と桂枝という生薬がスクラムを組んで、身体の汗孔、汗の出入り口をこじあけ、発汗を促します。
そして葛根湯に入ってる残りの生薬は滋養強壮薬として働き、身体の正気を補い、自然治癒力を助けてくれます。
冬場の風邪の原因はこの寒さ。これを漢方では外寒風寒といいます。
この状態を表証といいます。つまり、この状態を解除すればいいわけです。それが先ほどもお話しした葛根湯を使った発表、とういうやつですね。
風邪引くな、ってのはまあ無理なんですよね。
どれだけ予防に徹してしたとしてもかかる時はかかる。
風邪引いた時は初期対応が肝心で、風邪の侵入を表部で食い止めれば、咳が長引いたり、胃を悪くしたりせず済みます。
葛根湯は攻めと守りの非常にバランスの取れた漢方薬で、対応範囲が広いです。
だからこんなに有名なのかも。
この処方を作った昔の方はマジですごいですよ。
葛根湯の使い方【応用編】
ポイント3つ
- 【セルフ葛根湯】温かいうどん+七味唐辛子
- 風邪には葛根湯、ではない?
- 葛根湯が不向きの方
【セルフ葛根湯】温かいうどん+七味唐辛子
風邪ひきそうな予感がしてきて、葛根湯が手元にない場合、温かいうどんに七味唐辛子をかけで食べてみて下さい。名付けてセルフ葛根湯です。
実際にやってみたことありますが、葛根湯ばりに発汗できます。
結局、発表ができればいいのでこのような裏技もあります。
風邪には葛根湯、ではない?
実は風邪を引いた時に、発表薬として使う漢方薬は葛根湯だけではありません。
現実には、風邪症状に葛根湯だけで対応できない方もおられます。
冬場の風邪によく使う漢方薬として、桂枝湯、麻黄湯、桂麻各半湯などが挙げられます。
このへんを話出すと長くなっちゃうんで、今日は葛根湯の使い方だけマスターして下さい。
葛根湯が不向きの方
例えば、筋肉量が少なく、もともとの食事の量が少なめな女性。
そんな感じの体力のない方は、風邪を引くと寒気とともに汗が漏れ出て、症状もあまり激しくならない場合があります。
風邪症状に使用する他の漢方薬の内容は、こちらの記事にまとめております。
風邪の改善に漢方薬がおすすめの理由【5つの処方の使い分け】 | 茨城漢方グッさんBLOG
秋から冬。空気が乾燥し、朝晩が極端に冷え込んでくるこの季節は、風邪を引きやすい絶好の状況が整っています。今回は風邪による漢方治療のお話。風邪の予防と引き始めの初期対応に使う漢方処方についてお伝えします。ご家族に、愛しい人に「早く良くなりますように」と願いを込めて温めて。きっと効果があると思います。
今回の記事の内容をまとめます
その人その人にベストフィットする漢方薬は微妙に違う、ということだけ覚えて頂ければと思います。
「発表」という葛根湯を使った手法が、漢方ならではの風邪対策です。
身体の表部で、自身と風邪との戦争状態を解除し、風邪の原因を追い払うというもの。
七味唐辛子をかけた温かいうどんを食べたり、入浴やサウナでの発汗。これも発表。
漢方での風邪対策はけっこうオススメで、コツさえつかめばご家族の健康を守ることができます。
セルフメディケーションってやつですね。
ご家族に、大切な人に、早く良くなりますようにと願いを込めて漢方薬を服用させてみて下さい^_^
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