漢方で慢性頭痛を改善させよう【つらい頭痛とさようなら】
こんにちは、漢方薬剤師グッさん(@gussan011)です。
「夕方や夜に頭痛やめまいが起こりやすくて。のぼせやすく、動悸がします。特に疲れると悪化しやすいんですよね。何か良い方法はないでしょうか?」
慢性的に頭痛でお困りの方はけっこう多いのではないでしょうか。
この記事では「陽気(温める力)の不足で起きるタイプの頭痛」の改善におすすめの漢方と養生法を紹介しております。
先日、こんなツイートをしました。
https://twitter.com/gussan011/status/1265511688461221892
「あ、このタイプの頭痛には漢方が良いんじゃないかな」と思います。
慢性頭痛でお悩みの方に、実際に漢方を処方してきた経験をもとにお伝えしていきます。
目次
慢性頭痛の改善にはまず原因を知る【漢方的解釈】
慢性頭痛には色んなタイプがある
頭痛といっても色んなタイプの頭痛があります。例えば下記の3つ。
- 陽気の不足(温める力)で起きる頭痛
- 生理に伴う頭痛
- 天候悪化で起きる頭痛
今回の記事では「陽気(温める力)の不足で起きる頭痛」について深堀りしていきます。
陽気の不足で起きる頭痛とは
- 疲れてくると頭痛がする
- 夕方から頭痛がする
- 食が細い
- 冷えのぼせ
- 立ちくらみ
- 動悸
- 息苦しい
上記のような症状が出やすい方に発生する傾向があります。
陽気(身体を温める力)が不足すると、頭痛やめまい、動悸が起こりやすくなります。食が細く、色白で貧血を起こして倒れやすい女性をイメージするとよいかもです。
実際にこういったタイプの方はけっこうおられます。
漢方で慢性頭痛の改善させよう【つらい頭痛とさようなら】
「虚するものはこれを補い、実するものはこれを瀉す」
僕達はこの原則のもとに漢方治療を行います。
この身体の状態を「虚」の状態と捉えます。「虚」とは不足しているという意味合いです。
このタイプの頭痛には「補う&守る治療」が必要となってきます。
慢性頭痛(陽気の不足)の改善に選ばれる漢方薬
使用する漢方薬一例
- 桂枝甘草湯(けいしかんぞうとう)
- 桂枝加桂湯(けいしかけいとう)
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
- 苓桂味甘湯(りょうけいみかんとう)
- 苓桂大棗湯(りょうけいたいそうとう)
- 桂枝湯(けいしとう)
- 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
- 小建中湯(しょうけんちゅうとう)
- 当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)
このような種類の漢方薬が選ばれます。バチッとはまれば効果も早いです。
ポイントは桂枝甘草湯です。
桂枝(シナモン)と甘草という組み合わせの漢方薬です。上記のどの薬方にも桂枝甘草湯が含まれています。
陽気不足による慢性頭痛を「視える化」する
傷寒論にはこう書かれています。
発汗過多、其の人手を汲んで、自ら心を冒(おお)い、心下悸(しんかき)し、按(あん)を得(え)んと欲する者は、桂枝甘草湯之を主る。
- 発汗が度を過ぎて身体の陽気が不足し動悸が起こる
- 両手を汲んで胸部に手を当てて動悸を抑えようとする者
この病態を「上衝」といいます。
身体の不足を身体に必要なエネルギーで補おうとする結果、もともと足りてないエネルギーが空回りし、空焚きになって頭痛、動悸、のぼせなどの症状となって現れるイメージですね。
つまり、上衝によって起こる頭痛には桂枝甘草湯を使った処方が良いということです。
患者さんの状態によって上記の薬方を使い分けます。
ここで一つ大切なことをお伝えします。
つらい慢性頭痛の改善に必要なこと【漢方と養生】
ご自身の身体の状態を知ること
大切なのはご自身の身体の状態を知ることかなと思います。
漢方薬もそうですが、おすすめの養生法なども人によって異なります。食が細く疲れると頭痛出やすいような方に向けて、必要な養生法をまとめてみました。
陽気不足の方におすすめの養生法
- 無理をしない
- ちょっと運動する
- 動いたら休む
- タンパク質を摂る
- 米を食べる
- 温飲食を摂る
温飲食を心がけよう
温かい飲食は効率的なエネルギーの生産に役立ちます。温飲食とともに鶏肉などのタンパク質を摂りましょう。主食はパンより断然お米がおすすめです。
無理のない生活を
あと無理をしないこと。こういった方は疲れやすく身体が緊張しやすい傾向があります。動いたらすぐ休みましょう。
養生は楽しみながらコツコツ継続
養生も毎日のコツコツ積み上げです。いきなり生活をガラッと変えようとせず、ちょっとずつからが良いですよ。病気の改善はどうせなら楽しんでやりましょう。
漢方でつらい慢性頭痛を改善させよう【まとめ】
- 頭痛のタイプは人それぞれ異なる
- 慢性頭痛に漢方薬はけっこうおすすめ
- 「虚」のタイプの方は無理は禁物
- 毎日の養生を楽しもう
以上になります。この記事が頭痛で悩む一人でも多くの方のお力になれたら幸いです。
記事を読んでくれて、ありがとうございます!
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