Written by Kazuhiko Noguchi

五十肩って漢方で治せるの?【効果判定は1週間〜1か月】

心身のお悩み 身体の痛み

こんにちは、グッさん(@gussan011)です。

五十肩で肩が上がらない…痛みがとれない…とお悩みの方は多いと思います。漢方は専門性が高く扱いが難しいですが、五十肩などの慢性的な症状の改善に有効だと思います。

僕は漢方薬を扱う薬剤師なのですが、今まで何名かの五十肩でお悩みの方に漢方薬を処方してうまく症状を改善できた経験から、この記事を書いています。

目次

五十肩って漢方薬で治せるの?【効果判定は1週間〜1か月】

五十肩って漢方薬で治せるの?【効果判定は1週間〜1か月】
僕は五十肩に何人にも漢方薬を処方してきた経験から、五十肩を漢方で症状を軽減することは可能だと思っています。

  • 痛みの原因を特定し、適切な漢方薬を選ぶ
  • 五十肩の原因に多くある「痰飲」と筋力不足
  • 漢方薬の効果判定は1週間〜1か月

痛みの原因を特定し、適切な漢方薬を選ぶ

漢方薬は何種類もあり、使う症状や状態によって異なります。当然のことですが、人によって食事の量、筋肉の量、舌の状態などはそれぞれ違いがあります。

また、少々専門的な内容になりますが、五十肩の原因にはアルコールや座りっぱなしなどの生活習慣が関与する「湿熱」が原因の場合もあるし、悪天候時に悪化、冷えが強いなどの「寒湿」が原因の場合もある。

人それぞれに発生している五十肩という病態の原因を細かく問診し、分析して見つけること。そしてその原因に適合する漢方薬を的確に選ぶことが重要だと考えます。

五十肩の原因に多くある「痰飲」と「筋力不足」

五十肩の原因に多くあるのは「痰飲」です。

これは漢方用語で「古くなったお水」のことを指します。

加齢、運動不足、甘味好き、アルコールの飲みすぎなどが原因で発生しやすいとされる「痰飲」。このしぶとく残った「古くなったお水」が五十肩の原因になることが多いことを感じています。

痰飲・・・身体の中に滞る古くなったお水。病理産物を指す。痛み、こわばりなどの原因になる他、悪天候時の症状の悪化を引き起こす。

それから筋力不足。女性は特に筋力が弱く「痰飲」が身体の中に残りやすくなる印象があります。

漢方薬の効果判定は1週間〜1か月

効果判定に必要な期間は約1週間〜1か月と考えています。1か月漢方薬を処方して何の変化もみられない場合は、無効と判断し別の漢方薬を処方します。

基本的には1か月以内にはある程度の効果が出るようにお薬をお出ししています。2か月飲んで症状の改善が全くみられないような場合、同じ薬を続けて飲んでも意味なしです。

五十肩に漢方薬がおすすめの理由【合えば効果も早い】

  • 漢方薬は根本原因に対してアプローチが可能【合えば効果も早い】
  • 当薬局の相談の6割以上が痛みの相談です

漢方薬は根本原因に対してアプローチが可能【合えば効果も早い】

熱が原因なら火を速やかに鎮火させにいく。また水の滞りが原因なら水分代謝を促し、温める。漢方にはこういったアプローチが可能です。根本的原因にアプローチを行う為、適切な処方であれば症状を出にくくしていくことが可能になります。

五十肩の原因の一つ、痰飲。この古くなったお水の滞りを解消させる生薬があります。その生薬の名称は茯苓、蒼朮。五十肩にはこの2つの生薬をベースにして処方を組み立てています。

漢方薬は生薬同士スクラムを組んで相乗効果を発揮します。まるで、人間と同じですね。

当薬局でよく行う「試し飲み診断」。試飲後、身体が温まって肩が上がりやすくなり、痛みが楽になる方もおられます。お薬が合えば、即効性もあります。

当薬局の相談の6割以上が痛みの相談

漢方薬は昔から痛みの治療に多く用いられてきました。痛みへのファーストチョイスに漢方薬を選ばれてもよいと思います。

そして西洋薬の効果を邪魔することなく、併用することも可能です。

当薬局は基本的に腰痛、五十肩、坐骨神経痛といった症状でお困りの方がご来局されています。

もともと「痛みに強くなりたい」という僕自身の気持ちが強く、痛みでお困りの方の漢方治療を続けていたら、だんだんと相談を受ける機会が多くなりました。

五十肩には漢方薬と運動の併用が効果的

五十肩には漢方薬と運動の併用が効果的

  • 人間は肩を動かす行為自体が圧倒的に少ない
  • ラジオ体操やってみよう

人間は肩を動かす行為自体が圧倒的に少ない

人間は生活をしていて肩から上を動かす行為自体が圧倒的に少ないのです。

筋力不足と「痰飲」が五十肩の原因になりうるというお話をしました。肩をあまり動かさず、生活習慣が乱れていれば次第に筋力がおち「古くなったお水」が溜まりやすい環境が出来上がってしまいます。

漢方薬の服用と同時に、生活習慣が乱れている方は改善が必要です。アルコールを飲みすぎている方は減らしていく。運動不足がある方は痛みがとれてきたらある程度の運動を取り入れていきましょう。

もちろん無理は禁物ですが、適度に筋肉を動かしておくと血流動性が良くなり、生活習慣の改善と漢方薬を併用していくことで、症状の改善、再発防止を行うことが可能になります。

こちらの記事も参考にどうぞ。

 

ラジオ体操やってみよう

そこでご紹介したい個人的に最強と思う運動方法は、ラジオ体操です。肩をあれだけ効率的に動かせる運動はなかなかないです。

しかも1日数分で終わりますし。ラジオ体操の動画を貼っておきますので、みなさんぜひやってみて下さい。マジメにおすすめです。所要時間は約3分。絶対できます。

※引用:[テレビ体操] ラジオ体操第1 | NHK


これまでの記事をまとめます

  • 五十肩は漢方薬で改善していくことが可能
  • 五十肩の原因に「痰飲」「筋力不足」がある
  • 五十肩の原因は人それぞれ異なる
  • 五十肩には運動不足、生活習慣が大きく関与する
  • 五十肩の改善にラジオ体操を取り入れよう!

僕は痛みで悩んでいる人は多いな…と感じ、痛みに強い薬剤師になりたいと強く思うようになりました。好きな趣味や好きな仕事を続けていくのに痛みがあってそれができない生活というのは、あまりにも辛いですよね。

お一人で悩まず、ご相談下さい。きっと力になれることがあると思います。

記事を読んでくれて、ありがとうございます!

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