Written by Kazuhiko Noguchi

漢方でコロナウイルスに立ち向かう【笑うことも大切】

コラム コロナウイルス関連

留まることをしらないコロナウイルス。

ここ日本でも、日に日に感染者数が拡大しています。毎日ニュースで感染者の悲報を聞くたびに不安に思う方は多いと思います。

東京に住む妹夫婦は大丈夫だろうか。都心に働きに出ている弟は大丈夫だろうか。娘には喘息の既往がある。もし感染したらどうにかなってしまうのではないか。

こんな不安が脳裏をよぎります。

今日、自宅に帰ってきたら妻からこんなことを言われました。

もし、子供達がウイルスに感染したら、和ちゃんにみてほしい…

・・・今の自分にできることは何だろう?

漢方でコロナウイルスに立ち向かう

漢方でコロナウイルスに立ち向かう

  • 笑顔でいること
  • 漢方を使うこと
二人とも、こっちへおいで

子供達を抱きしめました。

なんだよー、いま剣を作ってるのにー
父ちゃんどうしたの?寂しくなっちゃったの?

今朝のニュースで、うがいや手洗い、人混みを避けるなどの自己管理を徹底していたサッカー選手が、ウイルスに感染したと聞きました。

たぶん、このウイルスの感染は防ぎようがない。

子供達や両親、いつも薬局に相談に来てくれる患者さん。もし身近な人に症状が出たら、病状に合わせて症状の緩和に漢方薬を使う。そのために今日まで漢方を勉強してきたのだと思った。

だから安心して。コロナだろうが何だろうが、俺がみんなを守るから。

コロナウイルスの最大の問題は治療薬がないことです。そこで中国国家中医薬管理局が公表した新型肺炎に対する処方をお知らせします。

コロナウイルス対策の漢方処方、清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)

予防効果はありません。症状が肺炎に移行した場合に使用する漢方処方です。症状が消失したら服用を止める指示が出ています。

  • 麻黄…9g
  • 炙甘草…6g
  • 杏仁…9g
  • 石膏…15-30g
  • 桂枝…9g
  • 沢瀉…9g
  • 猪苓…9g
  • 白朮…9g
  • 茯苓…15g
  • 柴胡…16g
  • 黄芩…6g
  • 姜半夏…9g
  • 生姜…9g
  • 紫苑…9g
  • 款冬花…9g
  • 射干…9g
  • 細辛…6g
  • 山薬…12g
  • 枳実…6g
  • 陳皮…6g
  • 藿香…9g

中国量になります。日本で使う用量としてはこの3分の1が妥当と思います。

麻杏甘石湯、射干麻黄湯、小柴胡湯、五苓散を組み合わせたものが基本。肺熱、咳嗽、食欲不振、倦怠感、胃内の停水と幅広い病態に使用可能。ガイドラインではあくまで「陽性」で症状が出ている方への処方です。

清肺排毒湯に含まれる漢方処方、射干麻黄湯(やかんまおうとう)について

構成生薬:射干、麻黄、生姜、細辛、紫苑、款冬花、五味子、大棗、半夏

出典の金匱要略・肺痿肺廱咳嗽上気病脉證治第七篇には

「咳(がい)して上気、喉中水鶏聲(こうちゅうすいけい)の声するは、射干麻黄湯之を主る」

とあります。

  • 咳して上気・・・呼吸困難があること。
  • 喉中水鶏聲の声するは・・・喉中で「水鶏」が鳴いているような声がする。

つまり、咳をして呼吸困難があって、喉がゴロゴロいうのは射干麻黄湯が主治する、という意味です。山本巌先生は最も使用する鎮咳薬は、麻黄、杏仁、半夏、款冬花だと東医雑録にて述べられています。

射干麻黄湯の出典、処方構成からコロナウイルス肺炎の症状である呼吸がしづらい・咳が出るなどの症状に有効である根拠が伺えます。

ただ、この清肺排毒湯には五味子が入らず枳実が入る。全体の薬物組成を見ても、より病毒の「瀉」に赴きを置いた処方構成であることが分かります。

コロナウイルス対策の漢方処方、清肺排毒湯の運用方法

日本では基本的に軽症に用います。

軽症というのは自宅で経過観察を行う場合です。軽症…咽の痛み・胸の痛み・呼吸がしづらい・咳が出る(空咳→徐々に痰の絡むような咳)

新型コロナウイルス肺炎は急激に症状が悪化するケースが報告されています。悪化傾向がある場合、自宅で見るというのは危険です。速やかに医療機関を受診してください。

この処方に対し個人の見解としては、一律的に使ってよいかどうかは疑問に思います。そして肝心の効果がどれほどあるのか、僕自身まだ使ったことがないので正直言ってわからないというのが現状です。

ただ、症状の緩和に用いて肺炎の症状が軽快されている方がおられるのは事実です。その事実から肺炎の症状でお困りの方がおられたらこの処方の運用を検討しております。

» 中医薬「清肺排毒湯」の新型肺炎に対する有効率97% 重症化例はゼロ

  1. 胃の不調を伴う場合
  2. 悪寒、発熱を伴う場合
  3. 喉が痛い、胸が痛い、咳が止まらない場合
  4. 食欲不振、微熱が続く場合

どちらにせよ上記のような症状を伴い、軽症で自宅で経過観察を行う場合は漢方薬を使用し、症状の緩和を図ります。


咳や咽頭痛、肺熱の病症がメインなら麻杏甘石湯や清熱剤。症状が進んで陰が消耗し、倦怠感、食欲不振などの症状であれば柴胡剤や補剤を使って補陰ベースの方剤を考える。

コロナウイルス対策まとめ

コロナウイルス対策に笑う&漢方を使う
普段からの食事、睡眠、適度な運動は欠かせません。普段通りの生活、そして笑うこと。これは冗談ではなく身体の免疫細胞を活性化させるめちゃくちゃ有効な手段です。

  • 笑うこと
  • 漢方薬を使う
  • 食事、睡眠、運動

今の自分がコロナウイルスに立ち向かう手段としてお伝えできることはこの3つ。

コロナウイルスの一日も早い終息を願い、一人でも縁のある方を助けたいと思います。

引用参考文献

  • 新型コロナウイルス肺炎診療方案(試行第6版)
  • 東医雑録(1)山本巌著 燎原書店
  • 金匱要略談話 大塚敬節主講 創元社

記事を読んでくれて、ありがとうございます!

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