【附子(ぶし)】漢方薬に含まれる生薬の効能【生薬解説】
【附子(ぶし)】漢方薬に含まれる生薬の効能【生薬解説】
ポイント
全身の陽気を温補する。寒性疼痛の重要薬。主として四肢などの末梢を温めるが、腹部も温める。
附子は温性と燥性が非常に強いので、陽虚症であるという適応症を持って使用する。
舌、唇、四肢のしびれ、めまい、心悸亢進、胸内苦悶などの中毒症状に注意。毒性を減弱させた処理を行った修治附子、または炮附子を使用する。
附子の漢方的効能
回陽救逆。
喪失しつつある元陽の力を挽回する。四肢厥冷、冷汗、顔面蒼白など(四逆湯)熱産生作用。
糖・脂質代謝促進の結果、熱産生が増加し、身体を温める。強心利尿作用。
身体機能が衰弱して水分代謝が低下している者に用いる。- うっ血性心不全による浮腫を治す。(八味丸)
- 冷えて、下痢、腹痛して尿量少ない者や皮下に水が溜まって浮腫のある者を治す。(真武湯)
散寒止痛作用。
新陳代謝を盛んにして熱を産生し、更に血管を拡張し血行をよくして四肢の冷えを温め痛みを止める。逐水作用。
茯苓、蒼朮と組んで余分な水を強力に身体から抜く。(桂枝加朮附湯)(甘草附子湯)
分類 | 温裏薬 |
基原 | キンポウゲ科カラトリカブトの子根 |
薬性 | 大熱性 |
用法 | 0.5〜6g |
注意点 | アコニチンが含有され、中毒症状に注意。舌、唇、四肢のしびれ、めまい、心悸亢進、胸内苦悶などが出たら中止する。陰虚火旺、真熱仮寒、妊婦には禁忌 |
引用参考文献
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